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トップ画倉庫(その91)

【札幌市交通局静修学園前停留場】(2020.09.01〜2020.09.30)
路面電車の停留場と言えば、交差点を挟んで千鳥に設置され、横断歩道で連絡するのが一般的ですが、物事にはすべからく例外があるもので、交差点に接しない停留場も少数ながら現存します。
私の地元札幌市電の静修学園前停留場もその1つで、外回りの乗り場は交差点の横断歩道に接していますが、内回りの乗り場は渡り線を挟んで北側に千鳥で配置されています。内回りの乗り場には横断歩道がなく、移動に危険が伴う半面、交差点の手前に渡り線を設けることで、折り返しの際の信号待ちがなくなり、ラッシュ時に時間あたり17本運行されていた当停留場終着便の円滑な折り返しに寄与していたようです。
地下鉄南北線開業後も、その特殊な構造は存置されてきましたが、2020年のバリアフリー対応改修に併せて、内回りの乗り場が南に移設され、一般的な千鳥配置に変更となりました。同様の構造で唯一残るのは幌南小学校前停留場ですが、こちらも遠からず改修されることでしょう。安全性、利便性向上のためとは言え、古き良き時代の鉄道風景消滅には一抹の寂しさを禁じ得ません。
【旧大社線大社駅】(2020.10.01〜2020.10.31)
縁結びの神様として名高く、神話のふるさと出雲を象徴する出雲大社への参詣路線として開業した大社線。全盛期には東京、名古屋、大阪からの定期急行列車や全国各地から多数の団体臨時列車が運行され、多くの参詣客で賑わっていましたが、モータリゼーションの波には勝てず、優等列車が廃止の後、分割民営化後の1990年に路線廃止となりました。
その終着駅大社駅は、出雲大社の玄関口にふさわしい大型の純和風木造駅舎で、路線廃止後30年経過した現在も、現役当時の姿で保存されています。出雲大社を模した外観はもちろんのこと、高い天井に和風シャンデリアが多数配された内装は大正浪漫を今に伝える貴重な存在で、廃止後の2004年に重要文化財に指定、更には2009年に近代産業遺産に認定されました。
さすがに築100年近くともなると老朽化が進み、5年の期間と10億円の費用をかけて修繕工事が始まりました。残念ながら工事期間中は駅舎への立ち入りは禁止となりますが、5年後にどのような姿で再会できるのか、今から楽しみにしています。

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