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トップ画倉庫(その43)

【長崎本線小長井駅】(2012.09.01〜2012.09.30)
鉄道の町鳥栖から南西へと延びる長崎本線。博多と長崎を結ぶ特急列車が頻発する大動脈という顔のほかに、佐賀・長崎県境前後は有明海沿いを走る風光明媚な車窓でも知られています。
遠浅の干潟が広がる先に雲仙岳が聳える車窓は非常にダイナミックで、お天気のいい日には海辺の小駅で日向ぼっこするのも良さそうですが、その優美な姿とは裏腹に、1991年の大噴火で大きな被害をもたらし、麓を走る島原鉄道は長期間の運休を余儀なくされました。
さすがに対岸の当駅までその影響が及ぶことはないでしょうが、ある意味自然災害よりも恐ろしい整備新幹線建設による経営分離問題が将来に影を落としていることは否めません。沿線自治体の強硬な反対もあり、新幹線開業後20年はJRによる運行が担保されましたが、その後の運行はJRと両県の協議に委ねられており、先例でもある肥薩おれんじ鉄道の苦境を見るに、貨物列車もない当線の苦境は予想に難くないところです。
下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁】(2012.10.01〜2012.10.31)
北海道開拓の歴史とは切ってもり離すことができない鉄道。入植以来多くの人や物を運び続け、北海道のみならず日本の発展に大きく寄与してきましたが、産業構造の変化やモータリゼーション、過疎化などにより大多数は姿を消しています。廃線跡の多くは自然に還る中で、時代を超えて生き延びる遺構も少数ながら存在しますが、シューパロ湖を横切る三弦橋もそのひとつで、1963年の夕張岳線廃止後も50年に亘り地域のシンボル的な存在として存続しています。
1962年の大夕張ダム建設に伴う夕張岳線の移設により、1958年に完成した同橋ですが、大夕張ダムの下流に建設される夕張シューパロダムにより水没する予定となっています。ダムに始まりダムに終わる...文字通りダムに翻弄されたその数奇な運命を知ってか知らずか、今日も青空のもと凛とした姿を湛えています。

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