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トップ画倉庫(その61)

【フランス国鉄Montparnasse駅】(2015.09.01〜2015.09.30)
背の高い大屋根の下にずらりと並んだ頭端式ホームに発着する長距離特急...いかにも終着駅という雰囲気に溢れるこの光景を見るに、ヨーロッパに来たなぁと感じます。
国内で頭端式ホームの終着駅と言えば、真っ先に挙がるのは阪急梅田、南海難波など私鉄のターミナルで、日本が世界に誇る新幹線駅には皆無、長距離特急発着駅としては函館や高松が辛うじてその数に含まれる程度で、鉄道に求められる役割が異なるとは言え、彼我に見られる差は興味深いところです。
とは言え、最近ではパリの各ターミナル駅間を経由して郊外路線を直結するRERや、日本のターミナル同様、通過式構造を持つバルセロナサンツ駅などに見られるように、ヨーロッパでも輸送効率重視の思想が台頭しているようで、それだけ都市圏への人口集中が進み、インフラ整備が求められているということなのでしょうか。
一鉄道ファンとしては、駅の雰囲気もさることながら、自由に出入りが可能で、ホーム柵などの障害物もなく、至近距離から車両などを撮影可能なこの環境...まさに天国と言えますが、トンと同好の士を見かけたことがありません。海外では鉄道趣味ってマイナーなのでしょうかねぇ。
【日豊本線大分駅】(2015.10.01〜2015.10.31)
個性的なデザインの車両で知られるJR九州に、また一つ新しい観光列車が誕生しました。その名は「或る列車」。九州初の鉄道会社である九州鉄道が明治末期に導入した豪華客車ですが、当時の国内には定期運用するだけの需要がなく、十分に活躍することなくその生涯を終えた悲運の車両が半世紀以上を経て「復活」することとなりました。
金ぴかの外装はさておき、デザイナーが「ベルサイユ宮殿にも負けない」と豪語するだけあって、内装や細部にまでこだわった調度品など、クルーズトレイン「ななつ星in九州」にも劣らないほどの豪華さですが、肝心の料金は家族連れや若年層には少々手が届きにくい設定で、先着順とはいうものの、ターゲットは暇と金のある老年層というのが正直なところでしょう。
民営化後、ハイパーサルーンや黒いつばめ、白いかもめといった誰でも乗れる魅力的な車両を多数輩出し、汽車旅の楽しさを世間に知らしめたJR九州ですが、最近では各種割引切符の縮小も併せて、高級路線に舵を切ったようです。鉄道旅行が金持ちの道楽となりつつある現在、その方向性は正しいと言わざるを得ませんが、やはり寂しさを禁じ得ません。

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