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トップ画倉庫(その73)

【上信電鉄山名駅】(2017.09.01〜2017.09.30)
出改札や運行管理、旅客案内などあらゆる部分で情報化が進む鉄道業界。アナログ情報は急速に淘汰され、かつては当たり前のように設置されていた掲示板の類はとんと見かけなくなりました。駅の掲示板と言えば、忘れてならないのが「伝言板」。駅は人生の交差点とはよく言ったもので、せいぜい数行の短い言葉に垣間見られる悲喜こもごもの人間ドラマに感情移入したり、一方で、クスリと笑ってしまうセンスのある落書きに感心したり、今にして思えば、匿名掲示板を覗くような楽しみがあったのかもしれません。
使命を終えた掲示板は、大半が撤去、廃棄される運命で、写真のようにポスターなどの掲示スペースとして余生を送るものはほんの一握り。その意味では幸福者と言える掲示板ですが、掲示内容自体が「落し物・忘れ物のお知らせ」というあたり、滑稽さを通り越して脱力感を禁じ得ません。好意的に評価すると、全身を使った高度なボケ...ということなのでしょうか。
【南部町公民館さいはく分館前】(2017.10.01〜2017.10.31)
過疎化や少子高齢化が進む現状からは信じ難い事ですが、高度経済成長期以前は全国各地で中小民鉄路線が運行され、地方都市における通勤・通学輸送等、公共輸送の主役として君臨していました。もっともその要因は道路事情の貧弱さとの表裏一体によるもので、道路整備が進むやその多くが廃止され、バス転換されています。
1924年に開業した通称「法勝寺電車」もそれら中小民鉄路線の一つですが、人口わずか60万人弱、国内の都道府県で最少の鳥取県においても、すでに大正時代から電車が運行されていた事実に驚かされます。
多くのローカル民鉄のご多分に漏れず1967年に廃止された同鉄道ですが、当時の運行車両が3年かけて修復され、2015年12月より展示されています。当初の熱気はどこへやら、長らく野ざらしで放置され、朽ち果てる保存車両も多い中、こうして晴れ姿を披露することができるのは大変な幸運と言えますが、やはり鉄道車両はレールの上を走ってこそ。故郷広島からも程近いだけに現役のうちに訪問する機会があれば...と残念に思います。

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