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トップ画倉庫(その78)

【札沼線新十津川駅】(2018.07.01〜2018.07.31)
国鉄分割民営化から30年余年。バブル時代をピークに下降が続いていた利用者数ですが、都市圏では回復基調が続く反面、地方での減少傾向には底が見えず、ローカル列車の減便が着実に続いており、ここ札沼線末端区間に至っては遂に1日1往復までに削減されてしまいました。
国鉄末期にも、清水港線や日中線、漆生線、通称尼崎港線など、1日3往復以下の超閑散路線は存在したものの、それなりに通学利用を考慮したダイヤでしたが、新十津川駅発着は始業時間後という、完全マニア向け観光ダイヤと化しています。難攻不落と見るや、チャレンジしたくなるのは人間の性のようで、毎週末にもなると日本一早い終列車を目的に多くの観光客が訪れ、旧出札窓口に即席の観光案内所が開設される活況を呈している現状は、なんとも皮肉なものです。
とは言え、2018年10月に沿線4町が非電化区間の廃止を受け入れたため、この栄華もあとわずか。18きっぷシーズンにはこれまで以上の混雑が見込まれるので、お祭り好きでない方は早目の訪問がよろしいかと。
【東北本線黒磯駅】(2018.08.01〜2018.08.31)
私が高校生だった30数年前のこと、地方のローカル列車は非冷房車が当たり前で、夏になると頭上で扇風機が忙しそうに首を回転させていました。当然ながら客室の窓は2段上昇式でユニット化もされておらず建てつけは悪く、両端のストッパーを外して力いっぱい上に持ち上げたものでした。
列車の行き先表示も、今では当たり前となったLED式はおろか電照幕さえも未導入で、車両側面に金属製やプラスチック製の「サボ」が掲出されるのが常でした。終着駅到着後には、係員による「サボ」交換が行われ、差替えや裏返しで表れた意外な運用に驚かされたこともしばしばでした。また、ダイヤが乱れた際には変更後の「サボ」が間に合わず、急遽手書きバージョンが登場したりと、なんとも長閑な時代でした。
長らく旅客案内の主役に君臨した「サボ」ですが、作業要員やダイヤ改正時の更新手間などの削減から、前述の電照幕、LED式に置き換えが進み、その命運はもはや風前の灯です。以前にご紹介したフラップ式発車案内もそうですが、昔慣れ親しんだ鉄道風景がまた一つ消えていくのは残念でなりません。それだけ年をとったということなのでしょうが...。

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