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トップ画倉庫(その85)

【土讃線琴平駅】(2019.09.01〜2019.09.30)
国鉄分割民営化で誕生したJR旅客6社で最小規模のJR四国。営業エリアの人口が400万人にも
満たず、厳しい経営状況が続いていますが、あの手この手で増収に努めています。
観光列車の運行もその一つで、2014年に運行開始した「伊予灘ものがたり」の高評価により、第二弾として2017年に「四国まんなか千年ものがたり」がデビューしました。
この手の観光列車は「のと里山里海号」以来でしたが、車窓を彩る吉野川の眺めに、地元食材を使用した食事と沿線の方々のおもてなし、更には琴平駅に設けられた専用待合室で食後のデザートサービスなど、盛りだくさんのメニューに3時間が本当に短く感じられました。
JR四国では、2020年に第三弾として「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の運行を予定しており、超高級路線に軸足を移したJR九州に代わって、今後は日本の観光列車界をリード行く存在になりそうです。驚くべきことにこれら観光列車のデザインは社員が担当したし、車両の改造費用も他社の観光列車に比べてかなり安価ということです。苦しい状況の中、知恵を絞って路線維持に努めようとするその姿勢は、わがJR北海道にも見習うべき点が多そうです。
【長崎路面電車資料館】(2019.10.01〜2019.10.31)
古くから、外国への玄関口として発展してきた港湾都市、長崎市。狭隘な谷間に線状に市街地が形成され、面的広がりに乏しいという地勢から、地方都市としては珍しく公共交通機関が発達
しています。
その長崎市中心部で11.5kmの路線網を有するのが長崎電気軌道。色とりどりの電車が市街地を頻繁に行きかう姿は、広島市と並び「路面電車王国」と称されるに相応しく、1日に4系統約1000本の電車を運行、利用客は4万6千人にのぼり、市民の足として重要な地位を占めています。営業成績も優秀で、全線均一130円という低価格にして黒字経営は立派のひとこと。黒字の余裕か、規模は大きくありませんが、入場無料の資料館まで開設しています。
翻ってわが故郷広島はというと、実家近くの交通科学館に被爆電車が展示されているものの、館内の展示はつつましやかな限り。路面電車王国の名にかけて、ここはひとつ千田町の本社ビルあたりにいかがなものでしょうかね、広島電鉄様。

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