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トップ画倉庫(その89)

【札沼線石狩月形駅】(2020.05.01〜2020.05.31)
末端区間は一日一往復、日本一早い終電で知られた札沼線の非電化区間が4月17日に運行を終了しました。
当初、大型連休最終日の5月6日に予定していた定期列車の運行終了を、新型コロナウィルスの感染拡大対策として4月24日に繰り上げていましたが、全国への緊急事態宣言発令を受けて更に1週間繰り上げられることとなりました。
この運行終了繰り上げ、発表は前日の夕方というまさに不意打ちで、定期列車運行終了後に沿線4町を対象として予定されていた「ラストラン」も中止となりました。感染拡大防止という観点からは、廃線時に毎度繰り返される密集を避けるためにいたし方ないとは言うものの、90年近い運行の幕引きとしてはあまりに寂しいものでした。
経営難のJR北海道では、他にも複数路線の廃止問題が取りざたされていますが、廃止は免れないとしても、せめて多くの人々に惜しまれつつ、穏やかな最期を迎えてほしいものです。
【京浜急行電鉄港町駅】(2020.06.01〜2020.06.30)
大手私鉄のひとつ、京浜急行電鉄で最古の路線である大師線。京急ではパッとしないローカル線が、日本で初めて標準軌を採用し、関東では初めて電車を運行するなど進取の精神に溢れ、営業的にも川崎大師への参拝利用が予想外の収益を産み出し、路線網拡大の礎を築いたことを知る人はあまりいないでしょう。
その地味な大師線にあっても乗降客最小の当駅。新世紀になっても、駅の北側にはレコード会社の工場が立地し、周辺には昭和のノスタルジーが色濃く漂っていましたが、現在では工場閉鎖後の跡地に高層住宅が立ち並び、駅舎もすっかり近代的な佇まいに変貌、その痕跡はホームの壁画に残すのみとなりました。
音楽ソフトもレコードからCD、そしてネット配信へと移行し、かつてはどこの家庭にもあったレコードプレーヤーは骨董品と化しています。高校時代になけなしの小遣いをはたいて買った80年代アイドルやニューミュージック歌手のLPレコードも、実家の物置の肥やしになっているのか行方が知れません。つくづく昭和は遠くなったものだと感じます。

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