東北本線の日暮里から岩沼まで関東地方から南東北を太平洋沿いに結ぶ路線です。
土浦までの区間は東京への通勤圏で列車本数、利用客とも多く、取手までは複々線となっていますが、土浦以北は普通列車の本数が半減し、今や珍しくなった10両編成以上の特急列車が頻繁に行き交う都市間連絡線の様相を呈します。水戸を過ぎても市街地が連続し、各駅毎に電機関係の工場や事業所が立地するため、特急列車の車内は、スーツ姿のビジネスマンで埋まっています。この賑わいも日立を過ぎると一段落し、列車は旧常磐炭田の沿線を走り、福島県浜通りの中心都市いわきに到着します。いわき以北は大半が単線区間となり、列車本数も激減しますが、多くの駅で木造駅舎が残り、駅員も配置された古き良き時代の鉄道風景が残っていました。
しかしながら、2011年3月に発生した東日本大震災に起因する津波と原発事故による放射能汚染でその風景は一変、線路や駅舎などの設備が損傷はもとより、沿線の一部が帰還困難区域に指定されたため、全線での運転再開に9年の月日を要することとなりました。運転再開後も帰還困難区域となった自治体の居住者は震災前の1割強程度に留まっており、厳しい状況が続きそうです。
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